機能性色素は、様々な外部の影響に対し機能する色素材料の総称です。従来の染料や有機顔料のように可視光領域の特定波長を吸収して繊維等を着色するだけでなく、例えば樹脂への相溶性を高めた材料や、酸などの影響により発色する材料、光や熱などの外部エネルギーによって物質変化をもたらす材料もございます。当社では様々な用途に向けた研究開発・製造を進めており、主に情報エレクトロニクス業界では表示デバイスなどに幅広く利用されています。
色素は染料と顔料に区別されます。大まかに染料は溶剤に溶けるもの、顔料は溶剤に溶けないものです。染料の利点は溶剤に溶けることから透明性が高いこと、構造や波形の色微調整が容易であることから顔料より鮮やかな色を再現します。染料の欠点は顔料に比べ光や熱に弱いことです。当社では染料の中でも光や熱に強いキサンテン骨格を中心に開発し、欠点を補いつつ、利点を最大化させる検討を種々行っております。
カラーフィルタはスマートフォンやテレビなどのディスプレイの中で色を再現するフィルタです。バックライトの光を受けて、フィルタを透過した光が画面上で色を再現しています。カラーフィルタの色の再現に色素は重要な役割をしております。近年カラーフィルタには高鮮明化、高精細化が求められております。そのためカラーフィルタに使用される色素は顔料から染料に置き換えが進み、染料の利点である透明性と鮮やかさが利用されております。